ペットの中医学的温活 ~ペットの目温活のススメ〜

2024/10/01 公開

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ペットの中医学的温活 ~ペットの目温活のススメ〜

愛犬愛猫とアイコンタクト✨していますか?
目は毎日コミュニケーションに用いるとても身近な体の一部ですよね。昔から「目は心の窓(鏡)」「目は口ほどに物を言う」など目は感情や意識を表す場所としてさまざまなことわざがありますが、愛犬、愛猫の目から同様の経験をされた方も多いのではないでしょうか。

 

毎日ついつい見つめてしまう目は、疾患や変化を捉えやすい場所とも言えます。

きっと多くの飼い主様は涙やけ、赤目、涙流、羞明(痛みや眩しさにより目をうまく開けないでパチパチする行動)などの症状を見たことがあるのではないでしょうか。

一般的に年を重ねていくと、加齢に伴いペットの目にもさまざまな変化が起こります。

中高年のペットに多い代表的な目の病気として

・白内障

・核硬化症(病気ではなく加齢性の変化です)

・緑内障

・ぶどう膜炎

・乾性角結膜炎(ドライアイ)

などさまざまな症状があります。

さらに中医学からの視点からは

【肝】が不調になると目にその影響が出てくると言われています。

えっ?なぜ?と思われた方、ちょっと詳しく説明しますね。

中医学は心身一体で不調を捉えていきます。

目は【精明】とも呼ばれ、精気が注がれる場所。

精気とは生命エネルギーと捉えるとわかりやすいかと思います。

余談ですが、“獣医師あるある”として、麻酔後覚醒しペットに意識が戻ってくると目に火がつくようにパッと精気がみなぎるのを感じます。あの瞬間、生命活動に必要な“精気”の存在を感じるんですよね。

また、“肝は目に開竅する”と言われ五臓の中で【肝】と大きな関わりがあります。

目と肝が離れた場所にあるのになぜ関係するのか…

実はこれらは肝の経絡(ツボ同士をつなぐ道のようなもので気血水の通り道)でつながっており、そのため肝に不調が出ると目にトラブルが起きるのです。

中医学における【肝】の生理機能は

・気の巡りを調節する

・血量を調節する

すなわち肝の血が足りなくなると、目が乾く、視力が落ちてきます。さらに、肝はストレスの影響を受けやすいため、ストレスにより気血の流れの悪化→肝熱が起き、目の充血や痒み、痛みなどを発症すると考えられています。

愛犬、愛猫とずっと見つめあっていたいから❤︎

体の内外から目のケアを行い健康な目を守っていきたいですよね。

そこで今回オススメしたいのが、ペット目温活!

愛犬、愛ねこに簡単にできる目温活マッサージです。

目周りマッサージでうっとり

顔をホールドしてマッサージする

その効果は、、、

・目周りが温まり血行改善

・肝の経絡を刺激しストレス解放、リラックス効果

・目の周りのツボを意識して気血水の流れを改善

・リンパやマイボーム腺の流れを整え、むくみや脂質の流れを解消

・鼻涙管を流れやすくする                    

など滞りを流し顔まわりがスッキリするメリットがあります。

目周りの不調が始まる高齢動物だけでなく、温活好きの若齢ペットにもおすすめです。

簡易的マッサージ方法

1.目の周りを温める(おすすめは小豆のアイピロー) ※湿熱でじんわり温まります

2.5分ほど目の上に置けたらOK(難しい子は1分でも、片目ずつでも可)

3.ペットの顔を前から両手挟み込むように持ち、目頭(晴明)から目尻(紫竹空)に向かってゆっくりとさする(上下6−10回ほど)

4.目頭から鼻先に向かって親指を移動させる(鼻涙管が通っている道筋を辿るイメージで6−10回ほど)

5.瞳の中心の真下で、頬骨の下のくぼみ(四白:しはく ツボの名称です)を10秒ほど指圧する

マッサージの注意点

・無理に行わない

嫌がっている場合は逆効果。無理は禁物です。目の異常を見つけたら獣医師の指示を仰いでから行なってください。また始めはスモールステップでアイピローになれるところから行いましょう。

・マッサージはさするような圧力で

強く押す必要はありません。優しく自分の顔に行うような気持ちで行いましょう。

・温めたアイピローの温度は適温ですか?

適温は人肌程度。あまり暑すぎると火傷や不快感となりますのでご注意ください。

その他の目の養生方法

ペットの目の異常を疑ったらまずはかかりつけの動物病院で診てもらうのが良いでしょう。

西洋学的な診断の上に、適切な処置が必要な場合もあります。

中医学診療を行なっている動物病院では、肝血を補う漢方処方や食材のアドバイスをもらえるところもあります。

マッサージに加えてぜひ取り入れてみてください。

目は毎日よく見る場所だからこそ、異変に早めに気づくことができます。

少しでも長く見つめあえるよう日頃の養生を大切にして過ごしていきましょう。

監修者:越谷どうぶつ病院 / 岩岡佳織 先生 

日本ペット中医学研究会 https://j-pcm.com/

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