大切な家族が元気に長生きできるように

2024/11/16 公開

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大切な家族が元気に長生きできるように

1990年頃、犬猫の平均寿命は短く、犬は8歳、猫は5歳くらいだったようです。現在は犬も猫も大幅に寿命が延びています。喜ばしいことですが、長生きするだけではなく、健康寿命を延ばす秘訣をご紹介します。

この30年で犬も猫も長生きに

2023年の調査によると、犬の平均寿命は14.62歳、猫15.79歳だったようです。

一般社団法人 ペットフード協会 令和5年(2023年)全国犬猫飼育実態調査主要指標サマリー より)

平均寿命が延びた要因には、飼い主さんの愛犬、愛猫への健康意識が高まり、飼育環境を整え、バランスの良い食餌を与える方が増えた事、ワクチン接種などの予防医療、獣医療技術の向上の結果だと考えられます。

これまでは「長生き」にスポットが当てられてきましたが、現在は、ただ長生きするのではなく、いかに健康寿命を延ばすかに重きが置かれるようになってきています。

健康寿命とは、「病気にならずに生活できる期間」を指し、単に長生きするだけではなく、健康で質の高い生活を送ることができる期間を意味します。

健康寿命を延ばすには、病気になってから治療するのではなく、愛犬、愛猫が健康で長生きできるように病気や不調を未然に防ぐ「予防医学」を意識した生活を心がけて頂きたいです。

動物病院ができること

動物病院は、病気になってから行く所と思われていたり、病気でもないのに病院に行っては迷惑ではないかと思われている方もおられるかと思います。

日本ペット中医学研究会の会員病院のような中医学治療を行っている動物病院でしたら、病気になる前から、どんどん来院して頂き、健康相談や治療を行って頂きたいです。

「未病」を治療するという考え方

その理由としては、中医学には、「未病」を治療するという考え方があるからです。

未病とは発病には至らないものの軽い症状がある状態で、病気と健康の間の状態で、そのままにしておくと症状が悪化してしまう可能性があるのです。

“歳を重ねる”「加齢」は、身体に様々な症状を起こします。加齢自体は病気ではありませんが、さらに症状が進む病気に至ることもある状態、すなわち未病であるともいえます。

ですので、シニア期には、元気に長生きするためにも、今まで以上に動物病院に来て頂きたいです。

健康で長生きするには、未病の状態から治療することが重要で、腎を補い、働きをキープする「補腎」がポイントになります。

補腎とは

中医学における「補腎」とは現代の言葉で言うところの「アンチエイジング」と繋がるところが多数あります。

中医学で「腎」とはホルモン分泌、脳や骨の働きの維持、髪や肌の状態保持、体の潤い、生殖機能など人間の成長や老化を支配している部位として考えられています。

身体の成長や発達に関わる機能を司る「腎」の働きが低下したり、不足したりしている状態を総称して「腎虚(じんきょ)」と呼びます。

腎虚には、病症によって「腎陽(じんよう)」「腎陰(じんいん)」「腎精(じんせい)」の不足などがあり、さまざまな不調の原因を作ります。3つの「腎陽」「腎陰」「腎精」の何が不足しているかによって対策は異なります。

もし上記の症状に当てはまるものが多ければ、もしかしたら腎が弱っているかもしれません。

腎陽が不足すると

腎陽が不足すると手足の冷えにつながることもあります。「冷えは万病のもと」といわれますので、温灸をしたり、日頃から腹巻きをするなど温める習慣を取り入れ対策をして頂きたいです。

腎陰が不足すると

腎陰が不足すると、慢性的な水分不足になっており、ほてりやすく、眠れなかったりすることもあります。こまめな水分補給を心がけて頂きたいです。

腎精とは

腎精は、先天的に生まれ持った精と、後天的に補充する精があります。高齢になると先天的な精は使い果たされていますので、後天的な精の補充が重要です。バランスのとれた食餌を摂取する。極度の疲労、睡眠不足などは、精は消耗されると考えられているので、生活習慣を見直すとともに、胃腸を整え、ストレスを軽減し、腎を健康に保つ必要があります。

タイプに合わせた補腎を行っていく事で、見た目も内臓も若返ります。

まずは体質診断から始めませんか?

大切な家族が元気に長生きできるように、まずは体質診断をしてみませんか?

生活面のアドバイスや、最適なペット用漢方をご提案させていただきます。

監修者:さくらアニマルクリニック / 柿崎舞 先生 

日本ペット中医学研究会 https://j-pcm.com/

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