年齢とともに、愛犬・愛猫の食欲がだんだん減ってきた…とお悩みの飼い主さまは多くいらっしゃるかと思います。今回は、中医学や整体の観点から「食欲がなくなる理由と対策」についてお話ししていきます。
食欲がなくなる理由 その①:腰が曲がっている
わんちゃん・猫ちゃんで意外にも多いのは、「腰が曲がっているからごはんが食べられない」ということです。
姿勢と食欲が関係あるの?と思われるかもしれないけれど、腰が曲がってしまうと、お腹の中がキュッと縮こまり、内臓の動きに制限がかかります。すると、消化吸収、排泄の流れが滞るため、食欲がなくなってしまうのです。 こういうタイプの子には、「マッサージ」と「後ろ足のリハビリ」がおすすめです。 腰が曲がっている子は、後ろ足がガチガチに固まっていることが多いです。
腰が曲がっている場合の対策は・・・
まずは腰から太ももの付け根あたりをしっかりマッサージをして、体をやわらかく使いやすい状態にしていきましょう。マッサージをしただけだと、また体が固まってしまうため、ほぐした後にしっかりと後ろ足を使う運動が大切です。このときに、アスファルトのような平坦な道だけでは運動が足りないので、少し疲れるようなデコボコ道がおすすめ。
後ろ足の筋肉は、内臓の近くを通って腰のあたりまで繋がっています。後ろ足をしっかり使うことで、内臓の動きをサポートしてくれますよ。
食欲がなくなる理由 その②:運動量が足りない
先ほどの内容と重なる部分もありますが、運動量が足りなくて食欲が落ちている子も多くいらっしゃいます。これは、単純に消費するエネルギーが少ないためです。腰が曲がっておらず、ふつうに元気なのに食欲がない子は、ぜひ運動量を増やしてみてください。
運動量が足りない場合の対策は・・・
わんちゃんで、散歩はけっこう行っているのに…という場合は、いつもの散歩だとしっかりとした運動になっていないのかもしれません。 散歩コースは、平坦な道だけではなく、公園、山道、砂浜、上り坂など、人もちょっと疲れるくらいの道がおすすめです。足を大きく動かすために、木の根っこをまたいだり、丈の長い草のあるところを通るのもいいですよ。
猫ちゃんの場合は、上下運動がおすすめです。おもちゃが好きな子であれば、キャットタワーやソファなどを利用して、上下に運動させるように遊ばせてあげてください。 おもちゃに興味がない子は、食事スペースの周辺に障害物を置いたり、食器を猫ちゃんが乗れる安全な高い場所に置くなど、食事の度に運動しなければいけないような環境づくりをしてみてください。
食欲がなくなる理由 その③:胃腸の力が弱い
中医学の考え方では、脾(消化管)の力が弱っている「脾虚(ひきょ)タイプ」と考えます。
脾は、食べたものを消化・吸収して、体にとって必要なエネルギーや物質を作る働きをします。ここが弱ってしまうと、エネルギー不足となるために、様々な不調に繋がります。
脾虚タイプの特徴
脾虚タイプの特徴として、
・疲れやすい
・瞼や内臓が下がる
・食後に眠くなる
・太りにくい もしくは 痩せにくい
・下痢、軟便になりやすい
などがあげられます。
消化吸収にもエネルギーを使います。食べものを受け入れる胃腸がしっかりしていないと、食事で胃腸が疲れてしまうため、食欲がなくなってしまうのです。
胃腸の力が弱い場合の対策は・・・
こういう子には、まず食べたものがしっかりと吸収できるように、消化しやすいごはんにしていきましょう。食材をフードプロセッサーにかけてやわらかくしたり、ことこと煮ておかゆ状にするのもおすすめです。
脾の力を補う食材のいろいろ
そのうえで、脾の力を補う食材を取り入れていきましょう。脾の力を補う食材には以下のようなものが挙げられます。
・お米
・芋類
・キノコ類
・鶏肉、牛肉
こんなことも対策になります
食事の1回量が多いと、消化するのに時間がかかり、胃腸が疲れやすくなります。1回量を少なくし、回数をこまめにして食べてもらうのもいいですよ。
今回は、中医学、整体の観点から食欲についてお伝えいたしました。
食欲がなくなると不安になりますが、いろいろな方向から体を見て、愛犬・愛猫が少しでも過ごしやすくなるようにサポートしていきましょうね。