でも、食事は「水穀の精微」と呼ばれる大事な「気」のもとになるものです。食事からさまざまな物質を構成するための大事な要素が生まれますので、食事はとても重要なのです。ですので、体調に合わせて食べられるものをうまく食べていくことも大事だと思います。病気になってしまうと、食事よりもお薬ばかり一生懸命になる飼い主さんもいらっしゃるのですが、薬補は食補に及ばない、という言葉もあるくらい、食べることが大事です。

中医学ではヒトや動物が生きていくときには自然環境ともバランスを取っていくことが必要と考えて季節を重要視しています。
そこで季節と食べ物に繋がる話題をほんのちょっとだけ取り上げてみます。これならヒント探しができる子がいるかもしれないです。
なるべく簡単に理解できるように、今までにこの「老犬&老猫と暮らす」のページで紹介されているオススメの食材や対策を季節ごと(二十四節季を四分割)に紹介します。
春 (立春~穀雨)春は肝の季節

新生活、新学期などでストレスのかかりやすい時期です。起こりやすいのは風のトラブル。風邪(ふうじゃ)は他の邪気(寒邪 湿邪 燥邪 熱邪)に合体して体を犯す病気のリーダーともいわれます。色んな形の邪気になりますが、からだの上部を侵しやすいです。
肝は気の巡りをつかさどり、消化の脾胃の働きと関係が強いので、起こりやすいトラブルは
寒の戻りの不調 情緒不安定 精神的なバランスの崩れ アレルギー症状などがあります。
手軽にできる対策
・初春はまだ寒さ対策が必要。風と寒さが入らないように防寒。上半身やおなかを守り、気をしっかり作れるようにする。
・早起きして新緑を散歩、いつもと違う道の散歩、色々なものにチャレンジなど、無理をせず適度に休息して気分をリラックス
・冷たいものや甘いものの食べ過ぎに注意して脾(おなか)を守る
・春の日を受けて満物の成長を感じる
などがあります。
お勧め食材
・鶏肉 鹿肉 羊肉 かぼちゃ 寒い日はからだ暖める
・あじ 鮭 胃腸を暖め、消化促進
・キャベツ カリフラワー 白菜 山芋 胃腸を元気にして代謝改善
・春菊 あさり 豆苗 気を巡らせてイライラを抑える
・ウコン 血の巡りよくする
夏(立夏~大暑)心の季節

陽が最も盛んな(勢いがある)時期で、暑さ(暑邪)と湿気(湿邪)の多い時期でもあります。夏は陽が成長することを促すのが大切ですが、暑邪は火熱の性質で、気や津液を消耗します。やりすぎると疲労します。また、湿邪で消化器症状がでやすい季節です。
起こりやすいトラブルは熱っぽさ、不眠、動悸、息切れ、心臓トラブル、熱中症、食欲不振、嘔吐下痢など消化器症状、重だるさ、むくみ、皮膚の悪化などがあります。
手軽にできる対策
・早起きして涼しい時間に活動する、無理をせず、休息しながら過ごす
・濡れたら早めに乾かす。余分な水を排出してくれる食材を活用
・エアコンの冷やしすぎに注意
お勧め食材
・かつお 疲労回復、水分代謝改善
・鶏肉、牛肉 エネルギー補給、胃腸を元気にする
・スイカ レタス 身体の余分な熱を排出、水分代謝改善
・しそ 気の巡り改善、胃腸を元気にする
・キュウリ 冬瓜 熱排出、潤いを補う
・枝豆 もやし 小豆 はとむぎ 潤いを補い、余分な熱や水分を排出
・みょうが 夏バテ防止
秋(立秋~霜降)肺の季節

暦が変わっても暑さが続くので、暑さ対策をしつつ、夏の消耗を補い、冬に向けての準備期間となります。気(エネルギー)と津液(水分)を消耗しやすい夏の暑さが続き、さらに乾燥してくるので秋は呼吸器や皮膚がやられやすい時期になります。
起こりやすいトラブルは乾燥(燥邪)からの呼吸器のトラブル、皮膚の乾燥、夏バテ、便秘などがあります。
手軽にできる対策
・ペットも寒さに合わせて徐々に服を着せる
・散歩の時間帯を変えていく
・乾燥には保湿剤を利用したり、意識的に水分を取る
などがあります。
お勧め食材
・鶏肉 夏バテ解消、元気を補う、胃腸を温める
・豚肉 体力回復、潤いを補う
・秋刀魚 胃腸を元気にする、血の巡り改善
・かぶ 胃腸を温め、消化促進
・エリンギ 潤いを補う
・シナモン 体を温める
・栗 胃腸を丈夫にする
・梨 潤いを補い、のどの痛みや咳、乾燥を改善
冬(立冬~大寒)冬は腎の季節。

陰が一番強くなる時期ですが、その後陽が出てくる時期にもなり、とても大事な時期です。
この時期は、ヒトや動物では冬の間に蓄えた栄養を使って春から陽が生まれるため、冬は栄養を蓄えるのに大切な時期、となります。腎が弱ると老化現象のようになります。
起こりやすいトラブルは、冷えからのトラブル(寒邪)で、関節のトラブル、排尿のトラブル、皮膚の乾燥などがあります。
手軽にできる対策
・寒さ対策をする
・室内と室外の温度差などに気を付けて冷えを追い出す
・適度な運動、ストレッチなどで腰やひざを強める
・胃腸を元気にすること
などがあります。
お勧め食材
・鶏肉 体暖め、胃腸を元気にする
・鹿肉 身体を暖め五臓を補う、気血を整える、足腰の補助
・羊肉 身体を強く暖める、冷え性改善
・ブロッコリー 腰膝の補強、胃腸を元気にする
・ごぼう 血の巡り改善
・クコの実 老化予防
・黒ごま エネルギー補助、腸を潤し便秘改善
(黒豆、黒きくらげ、小豆など黒い食材がよい)
季節ごとにならべてみましたが、その季節ではない場合でも、身体の状況に合わせて組み合わせてもいいと思います。
漢方は食材で補いきれない部分を補助しますので、一緒にできると一番いいですよ。
毎月のおすすめの食材は研究会のチラシにも少し載っていますので、動物病院でみかけたときには参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。

