うちのワンちゃんが認知症?

2026/04/25 公開

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うちのワンちゃんが認知症?

ペットも人も長生きする時代になっています。 長生きは素晴らしいことですが、 高齢化が進むと認知症など加齢に伴う問題も少なくありません。 老いは避けて通ることが出来ませんが、 ペットのカラダに起こっている状態を理解して、 生活の工夫をすることで最後まで一緒に楽しく過ごすことが出来ます。

認知症ってどんな病気?

人では、 物覚えが悪くなる、 同じことを何度も言う、 口数が多かった人がおとなしくなってしまう、 徘徊をするなどが認知症のイメージではないでしょうか。

ペットも同じように、 夜中に吠えるようになる、 おとなしく寝てばかりいる、 あてもなくウロウロしている、 など人と同じような行動の変化がみられるようになります。

中医学的に考える認知症

中医学で認知症は四つに分類することが出来ます。

  • 瘀血(おけつ)による認知症
  • 腎虚(じんきょ)による認知症
  • 脾胃(ひい)の虚弱による認知症
  • 肝気欝滞(かんきうったい)による認知症

同じ認知症の症状がみられても、 その原因は様々です。

瘀血(おけつ)による認知症

瘀血とは血液の巡りが悪くなり滞ってしまうことです。 加齢により循環が悪くなると、 カラダは瘀血の状態になります。 脳へ行く血流が瘀血の影響を受けると、 脳の機能が低下して認知症の症状が現れます。

腎虚(じんきょ)による認知症

中医学で「腎は精を蔵し、 脳を養う」とされ、 腎の衰えは記憶力や注意力、 身体の活動低下に直結します。 老犬では加齢により腎精が自然に減少するため、 認知機能の低下や精神不安定が起こりやすくなります。

脾胃(ひい)の虚弱による認知症

消化機能が低下することで、 体内に「痰(たん)」という不要物が溜まると、 脳や神経に悪影響を及ぼします。 ぼんやりしたり、 活力が落ちたり異常行動を引き起こします。

肝気鬱滞(かんきうったい)による認知症

ストレスが多く、 肝に影響を与えると気の巡りが悪くなります。 気の巡りが滞ることで、 精神不安定になりイライラと怒りっぽくなるなどの性格の変化が現れたりします。

自宅でできる認知症の中医学的ケア

日常生活の中で無理なくケアをしてあげることで、 老犬の認知症の進行を穏やかにすることが出来ます。

・食養生

食事は毎日食べるものになりますから大切です。 腎(じん)を強くし、 脳と体の働きを支えてくれる食材を取り入れてあげると良いでしょう。

・黒胡麻や黒豆は腎を補う食材です。

・山芋や栗は消化を助けるとともに、 腎を補ってくれます。

・かぼちゃは脾(ひ)を補い、 気力を高めてくれます。

普段の食事に少量を、 トッピングしてあげるだけでも十分効果があります。 しっかりと加熱をして細かく刻んであげるようにしましょう。

適度な運動

毎日5~10分程でよいですから、 散歩をしてあげましょう。 適度な運動は筋力の低下を防ぎ、 血流を改善し瘀血を取り除く効果が期待されます。

昼夜のリズムを整える

認知症のワンちゃんでは、 昼夜が逆転してしまい、 夜中に起きて徘徊したり、 夜鳴きをすることが多く見られます。 中医学では、 昼は「陽(よう)」夜は「陰(いん)」とし、 それぞれの時間帯にあった過ごし方が心身の安定に繋がるとされています。 昼間の時間帯に軽い運動や脳を使う遊びをすることで、 夜に穏やかに過ごして陰の気を養えるようにしましょう。

スキンシップやマッサージ

飼い主さんとの触れ合いの時間が増え、 ワンちゃんに安心感が生まれます。 リラックスしながら血流や気の巡りをよくすることが出来ます。 体を撫でるだけでもよいので、 優しく声を掛けながら行うとよいでしょう。

鍼灸(しんきゅう)・漢方など

体に無理なくケアが出来る中医学の治療を取り入れるのもよいですね。 これは自宅では難しいかもしれませんが、 たまには動物病院を受診するのもよいのではないでしょうか。 適度な刺激は心や体の機能を活性化してくれます。

まとめ

愛犬の老いは避けて通ること出来ませんが、 ペットのカラダに起こっている状態を理解して、 生活の工夫をすることで生活の質も向上します。 また、 中医学では「心身一如 しんしんいちにょ 」といって、 心と体がつながっていると考えます。 飼い主さんの落ち着いた声や穏やかな接し方は、 老犬の情緒を安定させ、 安心感を与える最高のケアになります。

怒らず、 焦らず、 ともに過ごす時間を楽しむことが、 老犬にとって何よりの癒しになるでしょう。

監修者:池田動物病院 / 名取孝江 先生 

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