犬や猫の成長は本当に早く、生後1年半〜2年で大人になります。
人間の年齢に換算する科学的なデータはなく、また種類や飼育環境によって個体差がありますので、おおよその目安となりますが、小型犬・中型犬・猫では、1年半で人間なら20歳、2年で24歳。その後は1年間に人間の4歳分の歳を重ねていく換算方法が一般的とされています。
<小型犬・中型犬・猫の場合/2年で24歳+1年ごとに4歳>
大型犬では、2年で19歳、その後は1年間に7歳ずつ歳をとっていくので、さらに成長が早く、あっという間にシニアになって飼い主さんの年齢を追い越してしまうことになるのです。
<大型犬の場合/2年で19歳+1年ごとに7歳>
以上が、年齢を人間に換算する一般的な方法ですが、はじめに述べたように個体差がある年齢を正確に計算してもあまり意味がありません。当サイト「高齢の犬&猫と暮らす」では、中医学的な見地から同じ哺乳類である人間の成長と老衰と重ねて、少し違った角度から犬や猫の成長を考えてみました。
体の形成と成長老衰の過程 〜臓腑と気血の盛衰〜
成長期の10代、体の機能が完成へと向かう20代、30歳あたりをピークに40代以降は徐々に機能が衰えて老化がはじまります。この人間の成長老衰の過程を同じ哺乳類である犬や猫の年齢に当てはめると、うちのコが今、どのような段階にあり、どういうケアが必要なのかがわかりやすくなるのではないでしょうか。
漢方(中医学)の根本には、人間の体は五臓を中心に機能しているという考え方があります。五臓とは「肝」「心」「脾」「肺」「腎」で、これらが互いに助け合って働きながら体全体のバランスをとることで健康を保つことができます。そして、この五臓の働きを支えているのが、生命活動を営む「気」や栄養物質である「血(けつ)」です。
人間では40歳、大型犬では5歳、小型犬・中型犬・猫では6歳がターニングポイントです。五臓や気血の働きが、このあたりから徐々に低下していくと考えられます。あるころから肩が上がらなくなったり、小さな文字が読みにくくなった経験のある筆者は、うなずくばかりです。しかし生活環境が整い、医療が進歩した現代では、日本人の平均寿命が80歳を超えているように、犬や猫の寿命も飛躍的に延びています。つまり、老化がはじまった以降の「人生」「犬生」「猫生」が、すごーく長くなっているのですね。
一般社団法人ペットフード協会発表の『平成28年全国犬猫飼育実態調査』によると、犬の平均寿命は小型犬14.09歳、中型犬・大型犬13.73歳、全体平均は14.36歳。猫は15.04歳となっています。先の換算方法では、73〜75歳というところですか。
最後に犬と猫のギネス認定長寿記録を載せておきましょう。
犬部門
1位 マックス/29歳282日/ミックス(アメリカ)
日本では、プースケ/柴犬系ミックス(栃木県さくら市)の26歳8カ月という記録があります。
猫部門
1位 クレームパフ/38歳3日/不明(アメリカ)
人間に換算すると…、なんと168歳です!!