ワンちゃん、ネコちゃんのメタボ対策

2019/11/20 公開

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ワンちゃん、ネコちゃんのメタボ対策

「肥満? メタボ? うちの子には無関係だから」。
そう思っている人ほど要注意です! 飼い主さんに自覚はないけど、実は、肥満気味のワンちゃん、ネコちゃんは案外多いという事実。「太っていて寿命が短くなることはあっても延びることはない」からこそ、愛犬、愛猫の体重管理について、しっかり向き合う時間を持ちましょう。

まずは、愛犬・愛猫の肥満度チェック

肥満度のチェック方法はいくつかありますが、品種を問わず、誰でも簡単にできる方法を1つご紹介します。

 

[肥満度チェック]ワンちゃん、ネコちゃんの肋骨を触ってみましょう。

A なでなくても肋骨が浮かび上がっているのが目で確認できる。→ やせすぎかもしれません。

B うっすら肋骨が浮かび上がり、簡単に触ることができる→やせ気味です。

C 目では確認できなくても、軽くなでるだけで肋骨の凹凸を感じる。→ 理想的です。今の体重を維持しましょう。

D なでただけでは肋骨を探せない。軽く押さえれば肋骨がわかる。→  太り気味です。

E 脂肪がじゃまして肋骨がまったく感じられない。→ 太りすぎです。

いかがでしたか? DやEだった飼い主さんは、「えぇ! まさか!!」という思いかもしれませんね。診察室でも、「ちょっと、太り気味ですね」とお伝えすると、多くの方が驚かれます。

 

体重が増え過ぎれば、体を支える関節などの負担が増加します(体重が2倍に増えたとき、関節にかかる負担はその2乗で4倍に!)。さらに運動不測で筋力が低下している場合には、より一層、関節への負担は大きくなると言えるでしょう。

 

健康面でも、心臓や血管などの循環器、肝臓にも負担がかかり、ホルモンバランスの乱れが生じれば糖尿病のリスクが高まります。

 

肥満やメタボによって寿命が縮まることはあっても延びることはありません。大切な愛犬や愛猫との時間を長く楽しく過ごすためにも、体重管理はとても大切なのです。

 

 

メタボになる三大原因

原因1[過食]
犬や猫は必要以上に食いだめができます。彼らの満足がいくまで食餌を与えると、1日に消費するエネルギー量を超えてしまうことがあります。また、メインの食餌のほかに副食やおやつがある場合、嗜好性が高いことからほしがる回数が増え、その結果、摂取量が大幅に増えてしまうことがあります。

 

原因2[運動不足]
核家族や飼育者の高齢化、都心でお散歩できる環境が乏しいなど、その原因は多岐に及びますが、犬が満足する運動量を確保できているケースは非常に少ないように感じます。また、昨今は猛暑によって日中に外出できないなど、自然環境の変化も原因に挙げられるでしょう。

 

原因3[犬や猫の擬人化]
よく私は飼い主さんに「かわいがるのと甘やかすのは違うよ」、「犬や猫は小さな人間ではないですよ」とお話しします。人間とワンちゃんネコちゃんでは必要とする栄養源が異なり、人間よりも糖質の占める割合はかなり低めです。人間の食べるものには多くの糖質が含まれており、それを何気なく与えてしまうと糖質過多になってしまいます。

 

人間用のクッキー1枚=小型犬にとってハンバーガー1個分
ジャーキー2〜3個=チワワの食事1日分のカロリー

 

このように具体的な数字でみると、「欲しがるから」、「あげると喜ぶから」、「かわいい顔が見たいから」、「静かにしていてほしいから」などの理由でおやつをあげることを控えようという気持ちになりませんか?

 

「よかれと思って」という声をよく耳にしますが、正しい知識を持つことが飼い主さんに求められます。

 

メタボの解消法

1.生活習慣の改善
これは人間と同じですね。診察時には普段の生活について詳しくお聞きします。なぜなら、日頃、何気なく行っている行動が、時間をかけてメタボの原因となっていることがよくあるからです。毎日お散歩に行っているという方でも、歩くコース、距離、時間などが足りていなかったり、せっかくお散歩に出てもカートに乗せたり抱っこばかりしていたり。あるいは、室内のフローリングが滑って思うように走り回れないなどはありませんか?

 

ワンちゃんやネコちゃんとの1日を振り返って、改善すべき点がないか検討してみましょう。

 

2.食餌量の管理
ペットフードをだいたいの目分量であげている方は、まず、この点から改善していきましょう。パッケージの表記を参考に、体重に合った適正量をあげることが大切です。

 

フードの量は守っているのに、メタボ気味という場合は、副食やおやつをあげすぎていないか見直しましょう。ご自身だけではなく、家族もちゃんと量を守っているかも大切なチェックポイントです。

 

家族の中でペットにいちばん甘いのは誰だと思いますか? 答えは、お父さんです。晩酌のときにすりすり寄ってこられると、他の家族には見つからないように、こっそり自分の食べているものをあげてしまいます。しかし、動物病院に連れてくるのはお母さんで、「食餌量は守っているのになぜ太ったのだろう…」と首をかしげることになります。実はこれ、本当によくある話です。

 

また、最近多いケースでは、ご家族に認知症の方がいて、知らぬ間に食餌やおやつを大量にあげていた、ということがあります。主治医と相談しながら、ペットフードをダイエットフードに切り替えるなどの対応を考える必要があるでしょう。

 

[注意点]
人間の場合もそうですが、急激な体重減少はかえって体に負担をかけますし、リバウンドの原因にもなります。ダイエット=食事量を減らす、食事の回数を減らす、と考えがちですが、これがいちばんリバウンドしやすい条件です。フードの量を減らしただけでは、1日に必要とする栄養源が目減りすることになり、かえって脂肪を溜め込もうとする働きを促してしまうことになりかねません。
主治医と相談しながら、フードの種類、量、あげる回数などを決めて、ワンちゃんネコちゃんに負担のかからないダイエットをしていきましょう。

 

監修者:ますだ動物クリニック 増田国充 院長

日本ペット中医学研究会 https://j-pcm.com/

 

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