
ワンちゃんネコちゃんの一生
彼らは私達よりも4~7倍の速さで歳を取りますから、あっという間に大人になってしまいます。
一般的に、7歳からはシニア期に入り、白い毛がまばらに生えてきたり、歯が抜け落ちたりする子もいます。
昔に比べると動きもゆっくりになり、寝ていることも多くなってきたりと、見た目だけでなく、行動にも年齢を感じるようになってきます。
動物病院の健診で病気が見つかることもあるでしょう。このような変化を避けて通ることはできませんが、シニアを意識し、病気を予防し、もし病気になってしまっても早期発見をし、その進行を少しでも遅らせることはできます。
できるだけ一緒の時間を過ごす工夫について
生活の質を落とさずに、できるだけ一緒の時を過ごす工夫をすることを中医学では『養生』と言います。
体によい物を食べ、散歩などの適度な運動をし、できるだけストレスを避け、サプリメントや漢方を使い健康に気遣うなどが、養生です。
「仕事が忙しくて時間が取れない。」「サプリメントや漢方は飲ませるのが大変。」
と考える飼い主さんにも、思い立ったらすぐにできる養生法があるとしたらどうでしょう。
皆さんやってみたいと思いませんか?
その方法とは・・・
その方法とは『笑顔』、笑うことです。

たったこれだけのことと思われるでしょうが、日々の生活が忙しいと、ついつい忘れがちになってしまいませんか。
仕事や家事に追われて難しい顔をしたり、我が子の体調があまりよくなければ、心配で表情が曇ってしまうこともあると思います。
『笑顔』で得られる効果には、『呼吸が活発になる』『免疫が活発になる』『自律神経のバランスが整う』など、さまざまなものがあるそうです。
中医学での『肺・はい』のはたらきの考え方
中医学で『肺』は、呼吸をするだけでなく『気を生む源』とされています。
肺は自然界から酸素(清気・せいき) を取り込み、体内を巡り汚れた気である二酸化炭素(濁気・だくき) を吐き出します。
また、清気から体内の気を生み出すという大事な働きをしています。
カラダ全体に気を巡らせることで、『元気』を支えているのです。
また、ウイルスなどの外邪の侵入を防ぐ防衛力となる気(衛気・えき)も、肺の働きから生まれます。
ですから、肺が元気で衛気が十分にあれば、カラダの免疫力も上がるのです。
その他にも、肺は『心』の機能とも深く関わっています。
中医学での『心・しん』のはたらきの考え方
『心』は西洋医学の心臓機能と同じように循環の原動力としての役目もありますが、中医学では、意識や精神活動に関係する部分も『心』の働きとされています。
中医学では、感情と病気は切り離せないものと考えられていて、心身一如と言われています。
『心』は『喜』と関係があり、喜んだり笑うというプラスの感情を維持することで、『心』の働きは安定します。
ですから、楽しいことや声を出して笑ったり、喜ぶことで、気が巡り免疫細胞を活性化させ、病気の予防や免疫の改善につながると考えられています。
ワンちゃんやネコちゃんの笑顔は喜びの表現
ワンちゃんはよく、笑顔のような表情を飼い主に、見せてくれます。
目を細めたり、口元が緩んだり、今にも動き出しそうな躍動感のある姿勢など、全身で喜びや笑顔を表現してくれます。
どのような時にワンちゃんが『嬉しい』と感じるかというと、本能による要求が満たされた時です。
ワンちゃんには、社会的な交流を好む習性がありますから、一緒に遊んだり、笑顔で話しかけてもらうなど、飼い主さんと交流することで、喜びを感じます。このような交流相手に向かって見せる体の動きや表情は、喜びの気持ちの表れですから、人の『笑顔』に相当するものでしょう。
同様に、ネコちゃんも、飼い主さんに親愛が溢れたときやリラックスしている時に、目を細め、ヒゲをピンと張り、リズムよく歩いたり、尾をまっすぐ立てたりと全身で喜びの表情を伝えてくれます。
笑顔は最高の養生
『笑顔』で見つめられると、オキシトシンというリラックス効果のあるホルモンが分泌されます。
すると、見つめられた人は心地よくなり、自然と笑顔になり、相手を見つめ返します。見つめ返された相手もまた、オキシトシンが分泌され心地よくなるそうです。
このように、笑顔は笑顔を生み、皆んなを幸せや健康へと導いてくれます。
ですから、『笑顔は最高の養生』と言えるでしょう。
さあ、ワンちゃんネコちゃんに『笑顔』で話しかけてあげて下さい。