犬だってストレスを抱えている<br>~老犬のストレスの傾向と対策~

2026/08/22 公開

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犬だってストレスを抱えている
~老犬のストレスの傾向と対策~

現代社会は「ストレス社会」とも呼ばれ、 多くの人がストレスを感じながら生活をしています。 そんな社会で暮らすペットたちもまた、 私たちと同じようにストレスを感じて生活をしています。 特に老犬は若い犬と比べてストレスによる不調が起こりやすいと言えます。

老犬は加齢とともに機能が低下します

人も動物も加齢とともに全身の活力や排泄機能、聴覚・筋力が低下します。この状態を中医学では「腎虚(じんきょ)」といい、「腎(じん)」のはたらきの衰えと深く関わると考えています。

それにより、特に老犬はストレスに対する感受性が高くなり、 ストレスによる不調が起こりやすいと言えます。

全身のさまざまな機能が衰えたり、必要な物質が足りない状態を中医学では「虚証(きょしょう)」といいます。加齢によって虚証が進み、衰えていくのは自然なことです。腎虚や虚証のサインの見つけ方と、日常で取り組めるケアで腎を補い衰えをゆるやかにできることを紹介します。

老犬が見せる腎虚や虚証のサイン

ぼんやりしている・無気力・疲れやすさ:加齢とともに腎のはたらきが低下すると、気力が落ち、活動量が落ちやすくなります。また反応が鈍くなったり、精神活動が弱ることにも繋がります。これが慢性的なストレス環境と組み合わさると、心身の回復力が低下します。

聴覚・運動機能の低下:腎は耳・骨格・腰の健康にも関連します。聴覚の低下や足腰の弱りは、環境変化への適応力を下げ、ストレスを感じやすくします。

排泄トラブル:腎は排泄コントロールにも影響を与えるため、トイレの失敗が増えることがあります。

体温調整の乱れ・寒がり:腎が衰えると体温調節のはたらきにも関与し、寒さを敏感に感じることが多くなります。ストレス時にはこの傾向が強まることがあります。

食欲不振と消化機能の低下:消化機能の低下も虚証のあらわれの一つです。食欲が安定せず、胃腸の負担が増えることがあります。

老犬が感じるストレスの原因

老犬に限らずストレスになり得ることも多いですが、老犬だからこそ気をつけたいポイントもあります。

環境の変化:部屋の模様替え、 引っ越し、 新しい家族やペットが加わる、 同居していた家族やペットが居なくなるなど。

飼い主との関係性の変化:飼い主さんの仕事が忙しくなり、 長時間の留守番や触れ合う時間が減少するなど。

身体的な衰え:加齢に伴う視覚・聴覚・嗅覚の低下、 認知機能の低下、 筋力の低下、 関節痛など。

精神的刺激:車の音・工事の音などの騒音や、 頻繁な来客などの過剰な刺激。

食生活の変化:食事の好みが変化したり、 口腔内の問題から食事が摂りにくくなるなど。

老犬のストレス対策として日常で取り組めるケア

生活リズムの維持:同じ時間帯に散歩・就寝・食事を設け、日々のリズムを整えることで安心感が生まれ、 不安を軽減することができます。

運動と飼い主さんとのふれあい:無理のない範囲で近距離の散歩をしたり、 室内でボールやロープを使った簡単な運動をすることは、 気分転換と筋肉の維持にも役立ちます。

スキンシップと声掛け:飼い主さんが優しく声を掛けてあげることで、 老犬の不安を和らげ、 安心感と絆が生まれます。

静かで快適な寝床の用意:静かな寝床、段差の少ない居場所、遮音性の良い環境を整える工夫してあげましょう。 新しいベッドを用意する場合は、 時間をかけて慣れさせてあげましょう。

環境ストレスの軽減:騒音、急な環境変化を減らし、安心感のある日常を作ってあげましょう。

食事を工夫し、腎を補うことでストレス対策にもなります

毎日食べる食事にも気を付けましょう。 歯や噛む力が弱くなってきている場合は、 ドライフードをふやかして与えたり、 ウェットフードを取り入れるのもよいでしょう。 一度にたくさん食べることができない子では、 少量ずつを何回かに分けて与えるようにしてあげましょう。

腎を補う食材には、ブロッコリーやくるみ、山芋、黒豆などがあります。ゆでるなど十分に火を通して小さく切り分けて与えます。

キャベツやさつまいもなどの気を補ってくれる食材やカボチャ、 小豆、 納豆など精神を安定させてくれる食材をトッピングしてあげるのもよいでしょう。季節や体質に合わせて調節することも重要ですので、薬膳にも詳しい獣医師と相談するのがおすすめです。

まとめ

老犬になると、 視力や聴力など五感が鈍くなったり、 筋力が落ちて身体機能も低下します。 若い頃に比べ環境変化への適応力も低下しています。 そのため、 ちょっとした刺激でもストレスを感じるようになってしまいます。 また 活動の低下や行動範囲が狭くなることで、適度な生活の刺激も減り、 それがストレスにつながることもあります。

言葉で伝えることはできなくても、 性格や行動の変化で私たちに合図を送っています。 老犬からの腎虚や虚証のサインやストレスのサインを見つけたら、 生活環境や食事を工夫することで、 愛犬に寄り添い、 一緒に楽しいシニアライフを送りましょう。

監修者:池田動物病院 / 名取孝江 先生 

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